年老いた両親と離れて暮らしていると、「元気で暮らしているだろうか」と常日頃から心配が絶えない。また、自宅を留守にしている間、誰かが部屋を使った気配があったり、目を離した隙にスマホを触られている気がしたり……そんな疑いが持ち上がると、際限のない疑心暗鬼に取り憑かれてしまう。さらに、部屋にノックもなしに入ってくる無神経な家族には我慢がならない……。
こういった問題をすべて解決できるのが監視カメラだ。監視カメラがあれば、実家の両親の健在を確認できるし、不在時に部屋で何が起きているのかも分かる。ほかの家族の動向もチェックできるだろう。
「IP Webcam」はスマホで撮影した動画を、離れた場所にあるパソコンに転送表示するアプリだ。監視カメラは存在がバレたら元も子もないが、普段見慣れているスマホなら、さりげなく設置しても怪しまれないので好都合なのだ。
自分の目の届かないがゆえの不安や疑惑は、スマホで一部始終を撮影するのが一番。スマホを監視カメラにして、すべてを白日の元に晒け出そう！

スマホを監視カメラとして使える「IP Webcam」

「IP Webcam」を起動して「Start Server」をタップすると、スマホのカメラでの撮影をリアルタイムで外部に送信する。「Stream on device boot」が有効になっていると、スマホの起動と同時に立ち上がって撮影を開始するぞ

撮影が開始されたら「Action」を押して「Runing buckground」を選択。表向きは普通にスマホを使っている間も、バックグラウンドで撮影が行われるようになる

「How do I Connect」をタップするとスマホのIPアドレスが表示される。このアドレスにブラウザで接続すると、パソコンからスマホが撮影している動画を見ることができる。なお、一部のキャリアの3G回線ではグローバルIPアドレスが提供されていないので、そのままだと接続できない。こちらの過去記事のやり方で接続しよう

取得したIPアドレスをブラウザに入力すると、スマホが撮影中の動画が表示される。リアルタイムの動画配信も可能だが、回線状況やスマホの性能的にコマ落ちして見られない場合は、静止画を表示して、画面をリロードして最新の状況をチェックするというやり方にもできる

【ケースその1】離れて暮らす実家の父母は元気にしてるかな？

実家の年老いた両親と離れて暮らしていると、元気にしているかどうか心配で仕方がない。こまめに連絡を取るためにスマホを渡したけど、「使い方がよく分からない」といって家に置きっぱなしになっているようだ。ならばスマホを監視カメラにして、両親の健在を確認できるようにしよう。スマホに「IP WebCam」をインストールして、スマホを常にクレードルに設置した状態にしてもらう（もちろん、両親にはカメラになっていることは教えてある）。これなら遠く離れたパソコンから、実家の両親の様子がいつでも見られるのだ。

離れて暮らす両親に連絡用のスマホを持たせたが、使い方が分からずほとんど触ってない様子。そこで、スマホから部屋内が映る状態にしてクレードルに差しておいてもらう。スマホに「IP WebCam」をインストールして、自動起動する設定にしておくと……

スマホが監視カメラとなり、遠く離れたパソコンに実家の室内の様子が映し出される。これなら両親が元気でいるかどうか、いつでもネット越しに確認することができる。画面の中の寂しげな両親の姿を見ていたら、思わず話がしたくなって電話をかけてしまった……

【ケースその2】仕事をサボって家で呑んだくれてるダメ亭主を監視

あの有名な「働いたら負け」という言葉通り、いかに自堕落に無職を満喫するか（それも働いているフリをしつつ……）。そこに人は知恵を巡らす。これは、そんなダメ男の一例だ。
夫はフリーランスのカメラマン。あまり売れてはいないけど、何とか仕事を増やそうと最近は営業に奔走中。嫁は子供がいないこともあって今でも仕事を続けている。2人とも帰りは遅いので、昼間の自宅は無人のはずなのだが……嫁が家に帰ってくると、なぜか人のいた気配がする。気味が悪いのでスマホを隠しカメラにしてこっそりと配置。留守中の様子を調べてみた。

夫婦共に出払って誰もいないはずの自宅なのに、確かに人がいた気配がプンプンする。この部屋、何かがおかしいぞ。スマホをさりげなーく居間が見える場所に配置して、朝、家を出た直後から部屋を監視。すると……？

まもなくすると、仕事に行ったはずの夫がフラフラと戻ってきた。何をするかと思えば、お昼の情報番組を見ながらビール缶をプシュ！　「営業に行ってくる」といって、実は自宅で昼間っから呑んだくれていたのだ！　コイツには働こうという意思がないのか……（この後、二人は離婚しましたｗ）

【ケースその3】不在の間スマホを勝手に触ってる犯人を特定する

最近、家でスマホから目を離していると、いつのまにか置いた場所が変わっていることがある。さては、家の中の誰かが、勝手にスマホを触っているな。子供がイタズラでイジっているのか、はたまた嫁が浮気チェックでもしているのか……。犯人を明らかにすべく、スマホをさりげなく目に付く場所に置いて、「IP WebCam」で離れた場所から監視してみた。しばらくすると、スマホに手を伸ばす不審な影が……。

「IP WebCam」を仕込んだ状態のスマホを、さりげなく目に付く場所に放置しつつ、別室からパソコンで監視していたところ、スマホの映像がガタガタと動き出したぞ……？

「IP WebCam」の映像が映し出した犯人の正体は……オマエかーっ。スマホのケースのニオイが気になるらしく、鼻先と足でスマホをツンツンといじくりまわしている。そのうちオモチャにされそうな雰囲気なので、今後は絶対に手の届かないところに置くことにする

【ケースその4】いけないことをするときは敵の動きを常に把握

家族と暮らす男性にとって、自室でパソコンと向き合うときが、数少ない息抜きの時間。この間に「いけないこと」を堪能したいものだが……そういう時に限って邪魔が入るのが常。やれ食事だの、やれ風呂に入れだのと、大した用もないのに部屋に入ってきたがる”敵”がこの家にはいて、こっちはいつドアが開くかとビクビクものだ。そういうときは、先手を打って相手の動向をこちらから監視するのが一番。スマホを”敵”の拠点へと忍ばせて監視スタートだ。

“敵”の拠点はキッチンとリビング。ここでの姿を確認できれば、心置きなく「いけないこと」に没頭できる。常に”敵”の動向を監視できる角度を考えて、こっそりスマホを設置する

ブラウザでスマホの映像を常にチェック。”敵”が台所にいることを確認しながら、いけない作業を開始する。ただし、思わず夢中になりすぎて”敵”の姿を見失うと、不意に奇襲をくらう可能性があるので要注意ｗ