ポートを開放できない回線でIP WebCamを使えるようにしよう

Android端末のカメラの映像をネットワーク経由で閲覧できる「IP Webcam」だが、インターネット経由で閲覧するには、自宅などのポート解放の設定が行なえるWi-Fiネットワークか、端末に固有のグローバルIPアドレスが割り当てられる方式の3G回線に接続していなければならない。

どうしてもそれ以外の回線でIP WebCamを使いたければ、P2P匿名プロキシ「Tor」のAndroid版である「Orbot」の「HiddenService」の機能を利用しよう。HidennServiceとは、Tor経由でのみアクセスできる匿名サーバをTorネットワーク上に公開する仕組みのことだ。

インターネット側からは接続できない回線上の端末でも、端末の方からTorネットワークに接続することは可能だ。Torネットワークにつながってさえいれば、HiddenServiceは利用できるので、Tor経由でIP WebCamにアクセスできるようになるぞ。

まず、Orbotを起動したらメニューボタンを押して表示されるメニューの「Settings」で設定画面を開き、下の方の「Hiddn Services」にある「Enable Hidden Services」のチェックをONにしよう。

さらに、「Hidden Service Ports」をタップし、入力欄に「8080」と入力する。

設定が完了したら、メイン画面の大きなボタンを長押しして、Torネットワークへの接続を実行しよう。Torネットワークに接続済みの場合は、いったん切断してから再接続する必要があるぞ。

再び設定画面を開き、「Hiddn Services」の「.Onion Hostname」をタップすると、このような文字列が表示されるはずだ。

次に、IP Webcamを起動し、パスワードの設定などを行なった後「Start server」でサーバの起動を行なおう。

HiddenServiceにアクセスするには、Torネットワークを経由してアクセスできるブラウザが必要だ。パソコンの場合は、「Tor Browser Bundle」を使おう。「Start Tor Browser.exe」を実行すると、このようなTorネットワークへの接続の進捗状況画面が表示され、しばらくするとブラウザのウィンドウが表示される。

Tor Browserが起動したら、「.Onion Hostname」で表示された文字列に「:8080」を追加したURLにアクセスしてみよう。うまくいけば、IP Webcamの画面が表示されるはずだ。Orbotの接続完了から間もないときなどは、接続エラーになることがあるので、しばらく待ってからアクセスしてみよう。