初期状態のAIU-OpenWnnは、あまり変換精度が高いとは言えない。しかし、変換結果を学習させたり単語登録を行って辞書を強化していけば、思い通りの入力が出来るようになるはずだ。

AIUでは、ユーザー辞書への単語登録を行いやすくするための機能も充実している。
覚えておくと便利なのが、過去に変換した単語が表示される省入力候補のロングタップからの辞書登録だ。自分で漢字を選択して変換したり、「AIU-Gapi」や「マッシュルーム拡張」を利用して変換した語句は、次回から省入力に表示されるが、記憶しておける件数の上限を超えると古いものから順に消えてしまうので、将来も素早く変換したい語句はユーザー辞書に移しておこう。

設定画面から進める辞書の管理画面では、辞書ファイルからの一括インポートも備えている。また、ファイルから読み込むだけでなく、テキスト編集ボックス上に列挙した単語を一括登録することもできるぞ。

しかし、現在のAIUの辞書インポート機能は、「よみ 漢字」のような2要素形式の辞書にしか対応していないのが難点だ。MS-IMEなどで一般的な「よみ 漢字 種類」のような3要素形式の辞書をインポートすると、3要素目が2要素目の続きとして認識されてしまい、「よみ」が「読み 名詞」のように変換されるようになってしまうてしまう。
そこで、このような3要素の辞書をAIUで使用できる2要素の辞書に変換するツールをあんスマが作成したぞ。ファイルをアップロードするか、入力欄にコピー&ペーストするだけで、3要素目を削除した辞書を作成可能だ。
ついでに、Wikipediaの登場人物一覧などのURLを入力することで「名前(よみ)」のような部分を辞書として抽出する機能も用意した。ぜひ活用して、変換辞書を充実させて欲しい。

・AIU-OpenWnn日本語入力IMEフリック対応キーボード – Google Play の Android アプリ

AIU-OpenWnnでは、変換候補の項目をロングタップするとこのような画面が表示され、ユーザー辞書への移行や辞書からの削除が可能だ。

「確定」キーのロングタップで「辞書の整理」が実行される。辞書の登録数が増えて候補の表示が遅くなってきたときは、辞書の整理を実行すると速度が改善されるようだ。

AIUの設定画面の下の方に辞書の編集などの項目が用意されている。辞書は日本語、英語、顔文字の3種類が用意されているぞ。

「辞書のインポート」を選択すると、端末のストレージ上のファイルを選択するメニューが表示される。

ファイルを選択すると、文字コードとインポート先を選択する画面に進む。初期状態では「UTF-8」の文字コードになっているが、MS-IMEやATOKで出力した辞書ファイルは「Shift_JIS」の文字コードになっている場合が多いので、「インポートファイル文字コード」で変更する必要があるぞ。

インポート先の辞書を選択すると、このようなプレビュー画面が表示され、「登録」を押せば登録が実行される。

設定画面の「日本語ユーザー辞書」「英語ユーザー辞書」「顔文字ユーザー辞書」では、このような画面で登録単語の一覧が表示され、追加や削除を行える。

「複数」では、このような画面が表示され、読みと単語をスペースで区切って列挙することで複数の単語を一括登録できる。

あんスマ特製ツールでAIU-OpenWnn用に辞書を変換

MS-IMEやATOKなどで出力した辞書をインポートするには、末尾の単語種別の削除が必要だ。あんスマが作成した「ユーザー辞書変換」のページで、辞書ファイルを選択して「Convert」を押そう。変換された辞書のダウンロードが実行されるぞ。
なお、Android標準のブラウザなど一部のブラウザでは、ファイルのダウンロードが正しく実行されないので、ChromeやFirefoxなどのブラウザを利用しよう。

このように、各行末の「人名」などの部分が削除され、AIU-OpenWnnで正しくインポートできる形式の辞書ファイルに変換されるぞ。なお、文字コードは自動的にUTF-8に変換される。

ついでに、Wikipediaの登場人物一覧などを抽出して辞書ファイルにする機能も用意した。このようなふりがな付きで人物名や用語が列挙されたページのURLを「WikipediaのURL」の欄に入力して、右の「Convert」ボタンを押そう。

用語が抽出されて、AIU-OpenWnnでインポート可能な辞書形式でダウンロードされるぞ。