Amazon開発者アカウントを作成してAlexaスキルを自作しよう

Amazonの音声アシスタント「Alexa」では、有志が開発した「スキル」で機能を追加できるが、欲しいと思った機能が見つからないこともある。テンプレートに設定を入力するだけでスキルを自作できる「Alexa Skill Blueprints」という機能もあるが、日本版はまだテンプレートの数が少ない。もっと思い通りに機能を追加したければ、通常のスキル作成に挑戦してみよう。
Alexaのスキルは、簡単な開発者登録を行えば誰でも作成できる。一般公開せずにテスト状態として自分だけで使うなら、審査なども必要ないので非常に手軽だ。使用できるプログラミング言語処理系やサーバ容量は限られるが、応答生成プログラムをAmazonのサーバ上で実行してもらう「Alexa-hostedスキル」なら、全ての作業をブラウザ上で済ませることもできるぞ。
今回は、設定箇所を書き換えるだけで実用的なスキルが出来上がるサンプルも用意しているので、Alexaをさらに便利にしたい人はぜひ活用して欲しい。

Alexa | アレクサ| Amazon開発者ポータル



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パソコンのブラウザでAmazonの開発者ポータルのページにアクセスしたら、右上の「ログイン」をクリックしてログイン画面に進もう。


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ログイン画面では、Alexaで使っているAmazon.co.jpのアカウントでログインしよう。
なお、同じメールアドレスで米国版「Amazon.com」にも登録していると、Amazon.comの開発者アカウントが作成されてしまい、日本版のAlexaでテストできなくなってしまうようなので注意が必要だ。「.com」の方のアカウント設定でメールアドレスを変更すれば回避できるようだ。


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最初にログインすると、開発者プロフィールの設定画面が表示されるので、修正・入力して右下の「保存して続行」を押そう。(「Skill Blueprints」でスキル作成時に設定済みの場合は表示されないようだ)
Amazonに登録した情報が入力済みになっているが、「名」と「姓」や「住所」が適切に分割されてないので修正が必要だ。また、Alexaスキルなどを公開したときに表示される「開発者の氏名または会社名」の設定も必要だが、後から変更できないようなので、自作スキルを公開したくなるかも知れない場合は慎重に決めよう。


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利用規約を読んだら「承認して続行」をクリック。


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有料機能などによる収益化を行う場合は支払いや課税に関する情報を入力せよとのメッセージが表示されるが、自作スキルを自分で試したいだけの場合は「後で行う」を押しておこう。


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登録作業が完了したら、「Alexa Skills Kit」のリンクからAlexaスキルの開発画面に進もう。


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ここには作成したスキル一覧が表示されるが、まだ何も無いので「スキルの作成」をクリックして新規作成しよう。


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「スキル名」を入力して、下部の「Alexaがホスト」方式を選択し、右上の「スキルを作成」を押そう。
もう一つの「独自のプロビジョニング」方式は、自分で用意したWebサーバ上で応答プログラムを実行する方式だ。独自ドメインを取得しHTTPSにも対応させなければならないので敷居は高いが、Alexaがホストするスキルでは使えないプログラミング言語を使ったり大量のストレージを利用することも可能となるので、より自由度の高いスキル開発を行いたい場合は利用を検討するといいだろう。


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スキルを作成のボタンを押すとCaptcha画面が表示されることがあるので、画像の英数字を入力して「続行」を押そう。


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スキルを作成すると、このような「ビルド」画面が表示される。ここでは、Alexaに認識させたい文言を「インテント」というグループに分けて登録したりして、Alexaによる音声認識部分の設定を行える。「○○のスキルを開いて」のような呼びかけに応じて読み上げなどを行うだけの単純なスキルの場合は、特に設定は不要だ。
編集を行った場合は、「モデルを保存」を押してから「モデルをビルド」を押す必要があるぞ。


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「Alexaがホスト」を選択した場合、「コードエディタ」のタブで、Alexaが認識した内容に応じて応答内容を決定するためのプログラムを記述できる。編集が完了したら上部の「保存」を押し、「デプロイ」を押せば反映されるぞ。
現在のAlexa-hostedスキルでは、「Node.js」というJavaScriptベースの処理系が使用できる。
Alexaスキルの仕組みとJavaScriptやNode.jsの仕様については、以下のドキュメントなどを参考にしよう。

Alexa Skills Kitによるスキルの作成 | Alexa Skills Kit

ASK SDK for Node.js

JavaScript | MDN

Index | Node.js v6.17.1 Documentation


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作成したスキルをテストするには、「テスト」タブで「非公開」となっているところをクリックして「開発中」を選択しよう。同じAmazonアカウントで使っているAlexa搭載機器やAlexaアプリでスキルが使用可能となるぞ。この画面でテキストボックスに呼びかけ内容を入力することでも動作確認できるぞ。


スキルを自作してAlexaをパワーアップさせよう


Alexaのスキルを自作して手持ちの音楽ファイルを再生させよう

CMなどでAlexaの主要機能のごとく紹介されている音楽再生機能だが、Amazon Musicなど一部の配信サービスにしか対応していない。手持ちの楽曲を再生させたければ、スキルを自作しよう。Alexaスキルのために用意されている5GBの無料ストレージにファイルをアップして、今回用意したサンプルプログラムにファイルリストを書き込めば、お気に入りの楽曲を再生するジュークボックススキルが簡単に出来上がるぞ。




画面付きのAlexaでお気に入りの動画を再生するスキルを自作しよう

「Echo Show」などの画面付き機器やアプリ版のAlexaでは動画の再生も可能だが、プライムビデオなど限られたサイトにしか対応しておらず、YouTubeも再生できない。しかし、スキルを作成すれば、自分で用意した動画ファイルも再生可能だ。お気に入りの癒やし動画などを再生させてみよう。




AlexaのスキルでWeb上から取得したテキストを喋らせよう

AlexaスキルはHTTPやHTTPSを用いてWebサイトにアクセスする処理も可能だ。今回は、あんスマのトップページから最新のピックアップ記事を取得して本文を読み上げるというサンプルを用意したぞ。HTTP処理の部分は使いやすい関数の形にしてあるので、ぜひ応用して色々な機能を作ってみよう。




Alexaの自作スキルでお気に入りのサイトをフラッシュニュースに対応させよう
「Alexa、今日のニュースは?」などと呼びかけることで読み上げてくれる「フラッシュニュース」のサイトを追加するスキルは、設定値を入力するだけで非常に簡単に作成できる。ブログやニュースサイトで一般的に使われているRSSフィードのURLを指定すればいいので、お気に入りのサイトをフラッシュニュース化できるぞ。

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2019年06月04日17時06分 公開 | カテゴリー: カスタマイズ | キーワード:, , | Short URL
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