AlexaのスキルでWeb上から取得したテキストを喋らせよう

Amazonの音声アシスタント「Alexa」では、ブラウザ上で手軽に「スキル」を作成して機能を追加できるが、あらかじめ用意した内容を喋るだけだと出来ることは限られてしまう。ネット上のデータを元に毎回違う内容を喋ったり、聞かせた内容を送信するなど、ネットサービスを活用したスキルも作ってみたいところだ。
Amazonのサーバ上で実行される「Alexa-hostedスキル」でもHTTPやHTTPSによる通信は可能だが、処理完了を待たずに次の処理に進む非同期方式のため、取得した内容から応答内容を生成してAlexaに返すには少々ややこしい記述が必要だ。また、HTTP/HTTPSモジュールのバージョンが古く、新しいバージョンで追加された簡潔な書式でのパラメータ指定ができないことにも混乱させられる。
ここに現時点のAlexa-hostedスキルで動作するHTTP通信処理の例を用意したので、Web上のデータを利用したAlexaスキルを作りたい人は参考にして欲しい。



001

Alexaがホストするカスタムスキルを作成したら、「コードエディタ」画面の内容に下記ファイルからコピーした内容を上書きしよう。「ビルド」画面での設定は特に不要だ。

alexahttpsample.txt


002

冒頭の「httpget」関数は、HTTPやHTTPSによるデータ取得を使いやすくするためのものだ。
今回の例では、単にURLで示されたWebページを取得する形でしか使っていないが、第2引数に文字列を指定して「POST」メソッドで送信できる他、第3引数にリクエストヘッダの名前:値ペアを列挙したオブジェクトを指定することもできる。
httpget関数内で使われている「HTTP」「HTTPS」モジュールの詳しい仕様は以下のページに掲載されている。Alexa-hostedスキルで利用できるバージョンが古めなので、新しいバージョンで追加された機能は使えないことに注意が必要だ。

HTTP | Node.js v6.17.1 Documentation


003

「LaunchRequestHandler」以下が、httpget関数を利用した処理を記述した部分だ。
今回の例では、あんスマのトップページを取得した後、最初のピックアップ記事のURLを抜き出し、取得した記事ページからタイトルと本文を抜き出し、HTMLタグを除去して読み上げテキストを生成し、応答オブジェクトにセットして返すという処理になっているぞ。
好きなサイトの最新記事を読み上げるようにカスタマイズしたければ、最初の「httpget(‘~’)」内のURLと、2つの「match(~)」内の正規表現パターンを書き換えよう。正規表現の使い方は、下記ページなどで解説されているぞ。

正規表現 – JavaScript | MDN


004

httpget関数の返り値は、処理の完了後に結果を受け取れるようにする「Promise」というオブジェクトになっている。
Promiseオブジェクトの「then」メソッドに結果の値を受け取って加工して返す関数を与えれば、加工された値を結果とする新たなPromiseオブジェクトが返される。代わりにhttpget関数などの返り値のPromiseオブジェクトを返せば、さらにその処理の結果を待ってから最終的な結果とするPromiseオブジェクトになる。
Alexaのリクエストハンドラ関数では、「responseBuilder…getResponse()」で取得できる応答オブジェクトの代わりに、thenメソッドに与えた関数内で応答オブジェクトを返すPromiseオブジェクトを返せば、完了を待ってから結果に応じてAlexaを動作させてくれる。
Promiseの仕組みについては非常にややこしいので、詳しく知りたい人は下記のページなどを参照して欲しい。

Promiseを使う – JavaScript | MDN


005

プログラム例を改造して好きなサイトの読み上げスキルを作成したら「テスト」ページで「非公開」をクリックして「開発中」に変更してテスト可能状態にしよう。
この画面の入力欄に「○○のスキルを開いて」のように入力すれば、手軽に動作確認できるぞ。
上手く抜き出したテキストを読み上げられたら、実際にAlexa搭載機器やアプリに呼びかけて利用しよう。

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2019年06月04日17時04分 公開 | カテゴリー: 便利化・快適化 | キーワード:, | Short URL
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