外で聴く音楽に過度な高音質は不要! 適度な音質で省サイズにすれば節電効果もあるかも

mozzyMP3やAACなどは、人間の耳で分かりにくい情報を間引いたりすることで大幅にファイルサイズを削減できる非可逆の圧縮形式だ。エンコード設定の「品質」や「ビットレート」で、音質の劣化を抑えるかファイルサイズの削減率を高めるかを調節できる。
雑音の多い電車内などで聴くことの多いスマートフォンでは、無闇に高音質にしてもあまり意味はない。ファイルサイズを半分にしても音が2倍荒くなってしまうわけではないので、思い切って圧縮率を高めてみよう。SDカードの使用量を抑えられるだけでなく、再生時に発生するデータ読み込み処理が減り、バッテリの消費も多少減らせるぞ。

なお、AACなどのエンコード方式には、ビットレート(時間あたりの情報量)を一定に保つCBR(固定ビットレート)と、音質の方を一定に保つVBR(可変ビットレート)があるが、VBRの方が音質が低下しにくいのでオススメだ。

musicencode_101MP3 vs AAC 音質比較!」のページの「再生」のリンクから、さまざまなビットレートでエンコードされたMP3やAACのサンプル音声をダウンロードできる。端末上で再生してみて、劣化が気にならない最小のビットレートを見つけよう。

musicencode_102前ページで使い方を紹介しているqaacでVBRの品質を設定するには、Exact Audio Copyの「追加のコマンドラインオプション」やCDexの「パラメータ配列」の欄に入力したコマンドラインオプションの「–tvbr」の後の数字を変更すればいい。

手元にあったCDの激しいパンク楽曲(ASTRALMESSというバンドの「DIAMOND DUST」)をさまざまな品質オプションでエンコードしてみたところ、それぞれの平均ビットレートは下記のようになった。128kbps程度にしたければ、63くらいに設定すればいいだろう。

	--tvbr 127 : 345kbps
	--tvbr 109 : 270kbps
	--tvbr 100 : 250kbps
	--tvbr 91  : 200kbps
	--tvbr 82  : 165kbps
	--tvbr 73  : 150kbps
	--tvbr 63  : 130kbps
	--tvbr 54  : 125kbps
	--tvbr 45  : 105kbps
	--tvbr 36  :  90kbps
	--tvbr 27  :  85kbps
	--tvbr 18  :  60kbps

自分が聞き取れない高音域をカットして聞き取れる音域の音質を向上させよう

オーディオCDでは22050Hzまでの音を記録可能だが、人間が聞き取れるのはせいぜい20000Hzくらいまでだ。また、20代後半頃から徐々に高い音を聞き取れなくなっていき、14000Hz程度までしか聞こえなくなることもある。
qaacでは、オプションを追加することで一定周波数以上の音域の情報を切り捨てられるので、自分の可聴域に合せて設定を調節してみよう。体感的な音質をほとんど落とすことなく、ファイルサイズを削減できるぞ。

musicencode_103「its’ website」などで、さまざまな周波数の音を再生できるFlashが公開されているので、自分がどのくらいの高音まで聞き取れるか試してみよう。

大人には聞こえない音/聴力検査FLASH (Mosquito Sound)

musicencode_104EACの「追加のコマンドラインオプション」やCDexの「パラメータ配列」に、半角スペースで区切って「–lowpass 18000」のようなオプションを追加することで、qaacでエンコードする音域の上限を設定できる。

–tvbr 63に18000Hzから14000Hzまでの周波数上限オプションを加えてエンコードしたところ、下記のようにビットレートが削減された。15000くらいまで下げると、少なからずファイルサイズの削減効果が得られるようだ。

	--lowpass 18000 : 129kbps
	--lowpass 17000 : 129kbps
	--lowpass 16000 : 126kbps
	--lowpass 15000 : 121kbps
	--lowpass 14000 : 118kbps



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2012年05月02日13時30分 公開 | カテゴリー: チューンアップ | キーワード:, , | Short URL
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