auやソフトバンクが帯域節約のために行う画像などの再圧縮はHTTPSを利用しているサイトには影響なし

GameGaz携帯電話キャリア各社では、スマートフォンユーザーの急増による通信量の増加に通信設備の増強が追かず、通信量の多いユーザーの速度を制限するなど、サービス内容の改悪でしのがざるをえなくなっている。そんな中、auでは2012年3月から「通信の最適化」の導入を決めたことで話題になっている。
ソフトバンクでも、以前から同様の最適化を行う場合があるという旨の注意書きがあるが、実際にどのような処理が行われるのかは説明からは分かりにくい。不要な情報の除去や圧縮方式の変更だけでは大した通信量削減は見込めないので、日本通信のイオンSIMなどで採用されている「Webアクセラレータ」と同様に、画像を低い画質に圧縮し直すことでファイルサイズを削減するのではないかと見られており、コンテンツ制作者の意図しない改変を無断で行なうのは著作権侵害ではないかとか、本来のインターネット上のコンテンツの取得が不可能なネットワークをインターネットと称して提供するのは不当表示ではないかなどの批判が上がっている。

au ISフラット
SoftBank ご利用の際に通信制御することがある内容について
イオン専用月額サービス
au、3月から実施予定の通信の最適化で「画像・動画ファイルが劣化」する可能性
au、スマートフォン向けに「画像や動画の最適化」を導入? | スラッシュドットジャパン
スマホの画像圧縮の件 – Togetter

deterioration_001GameGazの記事でh、b-mobileのWebアクセラレーターによる画質の変化が検証されている。

b-mobileのU300とイオンSIMのWebアクセラレーターによる画質劣化を比べてみた | GameGaz


HTTPSを利用しているオンラインストレージでは劣化の心配は不要

dropboxオンラインストレージなどにファイルを保存している人の間では、保存したファイルが最適化によって知らないうちに劣化したり、撮影日時や地点などの情報が削除されてしまうのではないかと心配する声もある。
だが、DropBox、SugarSync、Box.net、Evernote、Googleドキュメントなど多くのオンラインストレージやドキュメント共有サイトでは、ファイルの転送時にはHTTPSが利用されているので、改変の影響を受ける心配はなさそうだ。HTTPSは通信内容を暗号化して盗聴や改竄を防ぐための通信方式なので、通信事業者と言えども通信内容の改変はできない。
経路上でいったん暗号化を解除して内容を改変してから再度暗号化する手口でなら、改変自体は不可能ではないが、電子署名が一致しなくなるため、ブラウザなどのアプリには偽サイトとみなされてしまう。最適化可能なデータを判別するには全ての通信の暗号化を解除しなくてはならず、HTTPSを利用しているあらゆるサイトが偽サイト扱いになってしまうので、実際にHTTPSのファイルまで無理矢理最適化されることはないはずだ。

deterioration_002プロキシサーバソフトのログ機能で通信内容を表示してみたが、DropBoxとの通信はHTTPSで暗号化されており、接続先以外の詳細情報は分からない。

圧縮ファイルでも劣化を回避可能

zarchiverファイル内容の最適化はZIPなどの形式で圧縮されたファイルにも適用されないはずだ。仕事で納品する画像など、劣化させられては困るファイルを受け渡したいが、HTTPS接続の受け渡し手段を利用できない場合などは、圧縮してアップロードするといいだろう。

RARやLZHにも対応の圧縮・解凍アプリ「ZArchiver」

SSHトンネリングで自宅サーバを経由させて回避する手も

proxyすべてのサイトの改変を防ぎたければ、自宅のパソコンにSSHサーバとプロキシサーバを設置し、端末上で「ConnectBot」などのSSHクライアントから「ポート転送」を行い、モバイル回線上を通る通信を暗号化してしまうという手もある。
下記の特集では、SSHサーバのfreeSSHdとページ上の不要コンテンツを除去する「Privoxy」や画像を再圧縮して軽量化する「airproxy」と組み合わせて転送量を軽減する方法を紹介している。対象外とするURLなどを柔軟に指定できるので、画像サイトなどの画質が劣化して悲しい思いをする心配は無いぞ。

自宅プロキシで不要HTML除去+圧縮して通信量を削減しページ読み込みを高速化 特集

関連記事

2012年03月11日18時02分 公開 | カテゴリー: 節約・お得情報 | キーワード: | Short URL
このエントリーをはてなブックマークに追加

最新記事