前ページの準備が終われば、PC上で特定ドライブに（暗号化されていない）動画ファイルを置くだけで、その動画ファイルをスマートフォンから、暗号化状態で開けるようになっている。

「マイコンピュータ」内に現れる、ドライブレター「DOKAN」のドライブに動画ファイルを保存すると、Dropboxフォルダ内の特定フォルダ（初期設定のままであれば、Dropboxフォルダ内「\Apps\Cryptonite App Folder」）に、そのファイルを暗号化した暗号化済みファイルが生成される。暗号化済みファイルは自動でDropboxサーバー内に同期されるので、スマートフォン上にある「Cryptonite」アプリを使って開こう。

ポイントは、「DOKAN」ドライブに動画ファイルを保存すると、即座に暗号化済みファイルが生成されるという点。「暗号化ファイルシステム」なので、通常の暗号化アプリと異なり、「ファイルを暗号化するために時間がかかるし、ファイルを開くための復号化にまた時間がかかる」ということがない。

新しい動画ファイルが毎日のように手に入るとか、古い動画はどんどん外していくから入れ替わりが激しいといった場合でも快適だぞ。

前ページの方法でマウントを行うと、「マイコンピュータ」内に、指定したドライブレターの「DOKAN」というボリュームが出現する

PC上では、普通の外付けドライブと同様に扱える。例えばHDD内の動画ファイルを「DOKAN」ドライブ内にコピーし、「DOKAN」ドライブ内からダブルクリックで再生することも可能だ

そして、暗号化された状態でDropbox上のフォルダ（初期設定のままであれば、「\Apps\Cryptonite
App Folder」）に保存される。「DOKAN」ドライブ内に動画などのファイルをコピーしたあと、Dropbox上のフォルダを開けば、暗号化されたファイルが見つかるはずだ


万が一Dropboxパスワードが漏れて、このファイルを盗まれたとしても、暗号化されているため中を覗かれる心配はない

Android用のDropboxアプリから、「Cryptonite」で選択したフォルダにアクセスした場合も同様。ファイルを開くことはできない

暗号化済み動画を「Cryptonite」で復号化して開く

「Cryptonite」を起動し、「Decrypt Dropbox Folder」をタップ

前ページで設定したパスワードを入力する

これで、PC上で「DOKAN」ドライブをマウントした場合と同様、中のファイルを覗くことができる

ファイルを選択し「Open」をタップ

ダウンロードと復号化が行われる

ファイラー上で動画ファイルを開こうとした場合などと同様、「アプリケーションを選択」が表示される。どのプレイヤーファイルを開くかを選択しよう

復号化済みデータを再生することができる

暗号化済みファイルを毎回ダウンロードしなくて済む自動同期テク

一連の流れの中で唯一ストレスがたまるのは、Dropboxサーバーからスマートフォンへの、暗号化済みファイルのダウンロードだ。動画ファイルはサイズが大きいので、どうしてもダウンロードには時間がかかる。そこで、このダウンロードを自動で行わせる、という応用テクを紹介しよう。

Dropboxサーバー内の任意のフォルダと、スマートフォン内の任意のフォルダを同期させるアプリ「DropSync」を使い、バックグラウンドで上記のダウンロードをあらかめ行わせておく。そして、「Cryptonite」に、（Dropboxサーバー内ではなく）スマートフォン内の暗号化済みファイルを扱わせるのだ。この方法であれば、「Dropboxサーバーからの実体ファイルのダウンロード」が不要。即座に復号化処理が行われるので快適だ。


・Dropsync – Google Play の Android アプリ

「Cryptonite」の「LOCAL」で、「Create local volume」を使い、スマートフォン内に暗号化済みファイル用フォルダを作成する

「DropSync」を使って、Dropbox上の暗号化済みファイル（初期設定のままであれば、Dropboxフォルダ内「\Apps\Cryptonite App Folder」）と、上で選択したスマートフォン内フォルダの自動同期を行う。PC上で更新を行うと、Dropboxサーバー内のファイルが自動更新され、さらにスマートフォン内の当該フォルダも自動更新される、という状態を作るのだ。ただし、「DropSync」の無料版には、同期できるファイルのサイズ制限がある。サイズが大きい動画ファイルを扱うには、有料版を購入する必要がある。

そして、「Cryptonite」の「LOCAL」で、上で選択したフォルダをマウントする

参考

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