クラウド型ストレージサービスの王者Dropboxの自動同期機能と限界

PC/Android上でファイルを共有するためのクラウド型ストレージサービスといえば、定番はDropbox。既に多くの人が使っているサービスだ。マイドキュメント内の「Dropbox」フォルダ内に保存されたファイルがDropboxのサーバ上に自動で同期され、このフォルダ内のファイルにAndroid用アプリからもアクセスすることができるという仕組みだ。PC内の任意のフォルダを自動同期させることはできない。例えば、普段使っている仕事用のファイルはマイドキュメント内の「仕事\2012」フォルダに保存されている、という場合、このフォルダ内のファイルを、手動で「Dropbox」フォルダ内(例えば「Dropbox\今年の仕事」というフォルダ)にコピーしないといけないのだ。
手動コピーが必要なのでは、クラウド型ストレージの良さを十分に生かせない。そこで、「シンボリックリンク」という仕組みを使う。「シンボリックリンク」を用いると、上記の例なら、「Dropbox\今年の仕事」というフォルダにアクセスしたつもりでも、実は「マイドキュメント\仕事\2012」というフォルダにアクセスしている……という状態を作り出すことができるぞ。

Dropboxのユーザー登録や、Windows用クライアントのインストールを行う。標準では、Dropboxフォルダ内のファイルがオンラインのDropboxと同期される。HDD内の任意のフォルダをDropboxと同期させることができないのだ

そこで「シンボリックリンク」という仕組みを使う。「Link Shell Extension」をインストールした上で、HDD内の任意のフォルダを、Dropboxフォルダや、その中に作ったフォルダに、右ドラッグ&ドロップ。表示されるメニューから「ここにリンクを作成」「シンボリックリンク」をクリック

これで、Dropbox内のフォルダにアクセスしたつもりで、実は任意のフォルダにアクセスしている、という状態を作り出せる。そして任意のフォルダ内で新規ファイルの作成やファイル更新があると、これがDropbox内フォルダでのファイル新規作成や更新と同様に扱われるから、オンラインのDropboxへの自動同期が行われるのだ


スマートフォン→Dropboxの自動同期機能「カメラアップロード」

本文で紹介したのは、PC→Dropboxの自動同期だが、スマートフォン上のファイルをDropboxに自動同期する機能もある。最近追加された「カメラアップロード」機能だ。Anndroid標準カメラで撮影/保存した写真を、Dropbox内の「カメラアップロード」に自動でアップロードさせることができる。そして、PCとDropboxは自動同期されているから、その写真はDropbox/PC間で自動同期され、PCの「Dropbox\カメラアップロード」に保存される、という仕組みだ。
ただ、(標準カメラとは異なるフォルダに写真を保存する)標準カメラ以外で撮影した写真や、写真以外のファイルは、自動ではDropboxにアップロードされない。この問題を解決するのが、次ページのテクだ。

Android用のDropboxアプリをインストールし、先ほど作成したアカウントでログイン。初回起動時にカメラアップロードの設定を行う


設定ボタン「設定」を開き、「カメラアップロードをオン」からカメラアップロードの設定画面を開くこともできる

スマートフォン→Dropboxの(標準カメラで撮影した写真に関する)自動同期の設定を行う。パケット代が気になる場合は「Wi-Fiのみ」を選択

これで設定完了だ

以後、Androidの標準カメラ(や、標準カメラと同じフォルダに写真を保存する他カメラアプリ)で写真を撮影すると……

自動でオンラインのDropboxにアップロードされる。さらにこれがHDD内のDropboxフォルダに同期されるから、つまり、「スマートフォンで写真を撮ると、帰宅後にPCを起動すればHDD内(のDropboxフォルダ)にファイルがある」という状態を実現できるのだ

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2012年08月11日16時02分 公開 | カテゴリー: ファイル管理 | キーワード:, , | Short URL
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