サムソンの一部製品がアップルのiPhoneを模倣したとして争われていた裁判は、米国ではサムソン側の敗訴。サムソンのGalaxyシリーズなどがiPhoneを模倣しているとして、10億5000万ドル（約826億円）の賠償命令が出されている。
アップルとGoogleの代理戦争とも言われたこの裁判では、スマホ本体のデザインだけでなく、ホーム画面のデザインまでAppleの特許を侵害しているとの判決が下った。だが、Androidの場合はホーム画面は自由にカスタマイズ可能。購入後ほとんどのユーザーが手を加えることを考えると、真似たとしてもそれほど意味はなく、サムソンに剽窃の意図があったかどうかは怪しいところだ。
その一方で、Androidのカスタマイズ用アプリには、iPhoneのデザインを明らかに模倣したものがコロゴロある。外見から操作方法までを忠実に再現したホーム画面やロック画面、さらにはメールの通知までiPhoneに似せてしまうアプリが登場し、これらを組み合わせれば、本物とほとんど見分けが付かないレベルまで似せることができるのだ。
カスタマイズの自由さが魅力のAndroidだが、自由ということはiPhoneそっくりにもなれるということ。AndroidがiPhoneを本気で真似たらどうなるのか、とくとご覧あれ。

これがiPhoneを真似たとされるサムソンの製品だが…？

米国での裁判の結果、iPhoneを模倣しているとされた製品の1つ、サムソンの「Galaxy S 4G」。しかし、Androidの場合、ホーム画面を初期状態のまま使っている人はほとんどいない（初心者ですらウィジェットくらいは変更する）。この程度でパクリという人には、本気でAndroidがiPhoneをパクったらどんなことになるのか、知らしめててやるべし

Androidのホーム画面をiPhoneとそっくりに改造する

「Espier Launcher」をインストールしてホーム選択が画面で有効にする。「ランチャー」としか表示されないのでほかのホームアプリと間違えないように注意

スマホのホーム画面がiPhoneそっくりのデザインになる。壁紙は「メニュー」の「壁紙」にiPhone標準と同じデザインの壁紙画像が入っているのでそれを選べばOK。操作方法もiPhoneと同じで、アイコンを長押しすると震え出すので、配置を変えたりアンインストールできる

iPhoneのフォルダ機能も忠実に再現。震えている状態のアイコンを重ねると、フォルダが作成されてひとまとめにできる。もちろんフォルダの名前も自由に変えられるぞ

ホーム画面がiPhoneそっくりになってもロック画面が元のままでは片手落ちだ。「iPhone Go Launcher EX Theme」を導入してロック画面をカスタマイズできるようにし、「iPhone 4Sロック画面のテーマ」をインストールしよう。もちろん見た目だけなく、スライドバーを左側に動かしてロックを外せる

さらに細部にまでこだわりたいなら、画面の通知もiPhoneと同じようにする。「iPhone Notifications」を使うと、不在着信やメールが届いたときにiPhoneそっくりのアラートを表示させられるぞ

サムソンの「GalaxyS3」のホーム画面をiPhoneそっくりにしてみた。ハードのサイズこそ違うものの、画面の中身はそっくり同じ。やろうと思えばAndroidはここまで徹底的に真似できる。にも関わらず、多くの人が自分好みのホームアプリを使っているのは、そこまでiPhoneのインタフェースが万能だと思っていないからでは……？

一方、アップルは堂々とGoogleマップの類似サービスを開始した

サムソンと裁判を争う一方で、アップルは最新のiOS6の地図機能で、Googleマップの対応を打ち切り、新たに自社で始めたオンライン地図をサポートした。
この地図はGoogleマップそっくりのサービスなのだが、データ量がまったく足りておらず、都心部でも情報が抜け落ちたスカスカの状態（画像）。また、あるはずのない場所に店の表記があるといったミスも多く、あまりの品質の低さに非難が殺到している。このマップ機能がまともな完成度になるには、まだしばらく時間がかかりそうだ。
サムソンと類似品問題で争いながら、一方ではGoogleのサービスを真似る気マンマンのApple。パクりパクられはお互い様かも