「ファイル隠蔽」や「パスワードロック」は手軽だけど「暗号化」には及ばない

写真を見られないようにする方法として、一般的に利用されているのは、「.nomedia」ファイルを使う隠蔽テクと、「ギャラリー」アプリ等の起動ロックだろう。どちらも、手軽に使える点が長所だ。

まず、「.nomedia」ファイルを使う隠蔽テクを紹介する。定番の写真ビューワ「QuickPick」に搭載されている機能を利用するテクだ。隠したい写真が入っているフォルダを、「ギャラリー」や同種アプリ上で表示させないようにすることができる。隠したい写真が入っているフォルダを「QuickPick」で開き、メニューボタンの「隠し」を実行すると、以後、そのフォルダが「QuickPick」や、「ギャラリー」などのアプリで表示されなくなるのだ。実は、「QuickPick」や「ギャラリー」は、「.nomedia」というファイルが保存されているフォルダは無視する、という仕様。そこで、当該フォルダ内に「.nomedia」ファイルを生成し、そのフォルダを隠す、という仕組みだ。

次に、「ギャラリー」アプリなどの起動ロックで写真を隠す方法。通常、写真を見るためには、「ギャラリー」などのビューワアプリを起動する必要がある。そこで、そのアプリの起動をパスワードでロックすれば、写真を見られることを防ぐことができる、という仕組みだ。

ただ、これらの方法は、あくまで、「QuickPick」や「ギャラリー」がその写真を無視する、とか、パスワードが分からないと「ギャラリー」を起動できない、というだけ。画像ファイルそれ自体は、スマートフォン内に普通に(暗号化などされずに)保存されている。したがって、USB接続したPCやファイラーアプリを用い、当該フォルダにアクセスすれば、画像ファイルを開くことができてしまう。

とはいえ、例えば「トイレに行っている間にスマートフォンをいじられ、写真を見られるのを防ぎたい」など、用途によっては十分だ。「見られたら本気でヤバい」とまでは言えない、ちょっと恥ずかしい写真くらいなら、これらの方法を使うとよいだろう。


QuickPic – Android Apps on Google Play

「QuickPick」をインストールして起動。「ギャラリー」と同様、スマートフォン内の画像フォルダが表示される。ここでは、「Secret」フォルダ内の画像を隠すことを考える

「Secret」フォルダに入り、メニューボタンから「隠し」をタップ

警告が表示されるが「OK」をタップ

これで、該当フォルダが表示されなくなる

ほかのアプリ、例えば「ギャラリー」で開いた場合も同様だ

ただし、ファイル自体が隠れているわけではない。スマートフォンをUSBでPCに接続すると、隠したファイルを開くことができる

Android上で動作するファイラーアプリでも、同様に、隠したファイルを開くことが可能だ

隠したファイルを、再び「QuickPic」や「ギャラリー」などで表示されるようにするには、隠したフォルダ内の「.nomedia」ファイルを削除すればよい


参考

アプリの起動ロックも根本的なセキュリティ対策にはならない

Smart App Protector(app ロック) – Google Play の Android アプリ

「Smart App Protector Free」をインストールし起動。初回起動時に、指示に従い補助アプリ「ヘルパー」をインストールする。「Smart App Protector Free」の動作が停止されないか監視する補助アプリだ

「Settings」内の「パスワード」でロックパスワードを設定する

「Running」内で「追加」をタップ

起動のためにパスワード入力を求めたいアプリにチェックを入れて「追加」をタップ

以後、そのアプリを起動しようとするとパスワード入力画面が表示される。……ただし、パスワードが分からなくても、「アプリを起動できない」というだけであり、データ自体はスマートフォン内に存在するから、上述と同様、PCやファイラーアプリを用いてファイルを開くことが可能だ

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2012年09月16日21時08分 公開 | カテゴリー: セキュリティ | キーワード:, , | Short URL
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