2006年に携帯電話向けにリリースされたタイトルでありながら、多くの熱狂的なファンの支持により、スマホへの移植を果たしたのが「歪みの国のアリス」だ。
ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」をモチーフにした作品で、「歪みの国」へと迷い込んだ少女・葛木亜莉子が、チェシャ猫やシロウサギに翻弄されながら世界の秘密を解き明かすアドベンチャーゲームだ。前半1章～4章、後半5章～8章の構成となっており、各章ごとに複数のエンディングが用意されているのが特徴。選択肢を間違えると主人公は死亡するが、正しい筋道を選ぶとトゥルーエンドとして世界の真実が少しずつ明らかになる。
カテゴリとしてはホラーゲームの括りだが、主人公の楽天的な性格もあって怖さはそれほどでもない。むしろ、現実と幻想が入り乱れる独特の世界観が魅力の作品だ。製作のナイトメア・プロジェクトの寛容な意向もあって、多くの二次創作が作られている。ホラーアドベンチャーの名作として、ぜひ1度プレイしてみてほしい作品。