Android版Firefoxも「about:config」で隠し設定をカスタマイズして快適なブラウザに仕立てよう

Firefoxには、通常の設定画面には表示されない隠し設定が多数存在し、「about:config」というURLにアクセスすることで詳細なカスタマイズが可能だ。Android版Firefoxにも同様の機能が用意されている。
about:configには膨大な項目が存在し、設定したい項目の名前の一部を検索ボックスに入力して探す必要があるため、文字入力の難しいスマートフォンでは少々面倒くさいが、動作速度や操作性を向上させられる設定項目も多数存在するので、Firefoxを常用するつもりの人はぜひ挑戦してみよう。
ここではお勧めの設定項目を紹介するが、「MozillaZine」には沢山の項目の説明が掲載されているので、興味がある人はチェックしてみよう。

Firefox – Google Play の Android アプリ

About:config entries – MozillaZine Knowledge Base


メモリ使用量を調節してパフォーマンスを向上

「browser.cache.memory.capacity」という設定では、次回素早くアクセスできるようにメモリ上に保持しておくファイルの容量をキロバイト単位で設定出来る。また、「browser.cache.disk.capacity」では、ストレージ上に保持されるファイルの容量を設定可能だ。「browser.sessionhistory.max_total_viewers」では、「戻る」「進む」の移動先ページをメモリ上に保持する数の上限を設定できる。
初期状態では少なめの値になっているが、1GBなど潤沢なメモリ(RAM)を備えた機種では、大きめの値に変更すればページの表示が高速になるぞ。逆にメモリ消費を減らしたい場合は値を減らしてみよう。


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Firefoxを起動したら、上部のロケーションバーに「about:config」と入力しよう。このような設定項目の一覧が表示されるぞ。なお、項目数が多いので、表示完了までに数秒ほどかかることがある。


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上部のテキストボックスにテキストを入力して検索を実行すると、項目名にその文字列を含む項目が抽出表示される。太字になっているのは標準設定から変更されている項目で、「リセット」を押せば標準設定に戻せる。


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「変更」をタップすれば入力ダイアログが表示され、設定値を変更可能だ。


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変更を反映させるには、メニューからFirefoxを終了して再起動する必要がある。


ページ読み込み時の描画開始タイミングを好みの設定に

一部の設定項目は、初期状態では表示されず、手動で新規作成する必要がある。
「nglayout.initialpaint.delay」という項目を追加すれば、ページの読み込みが完了する前に最初に描画を行なうまでの最大の待ち時間を1/1000秒単位で変更できる。初期状態では250となっており、小さくすればページの表示開始までの待ち時間が減るが、表示完了までの時間は若干増えるので、好みに応じて変更しよう。読み込み途中のページが一時的におかしなレイアウトで表示される事があってウザい場合は、大きめの値に設定すると抑止できるぞ。


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「新しい設定を追加」を押すとこのようなダイアログが表示されるので、まずは設定値の種類を選択して「OK」を押そう。英語のサイトで「String」などとなっている物は「文字列」、「Integer」となっている物は「整数値」、「Boolean」などとなっている物は「真偽値」を選択すればいい。


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次に、設定の名前を入力する。


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続いて設定の内容を入力して「OK」を押せば設定が追加されるぞ。


タッチの当たり判定やスクロールの動作を調節して使い勝手を改善

Android版Firefoxのabout:configには、スマートフォン特有の設定項目も存在する。「browser.ui.touch」系の設定では、指で実際にタッチされた位置からどのくらい離れた位置のリンクまで開かれるようにするかを、上下左右の各方向ごとに調節可能だ。狙ったリンクをタップできなかったり誤クリックが頻発する場合に調節してみよう。
「ui.scrolling」系の設定では、慣性スクロールや画面端でのオーバースクロールの動作を調節できる。


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「ui.touch」で検索してタッチ動作の設定項目を表示し、実際のタッチ箇所の上下左右に広がる当たり判定の大きさを調節しよう。「browser.ui.touch.weight.visited」では、過去にアクセスしたURLのリンクの当たり判定を大きくする倍率をパーセントで指定できる。


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「friction_slow」と「friction_fast」では、それぞれ低速と高速の慣性スクロール時の減速度(摩擦)を0~1000で指定する。0に近いほどすぐに止まり、1000では画面タッチで止めるまで永遠に滑り続けるぞ。「velocity_threshold」は高速スクロールとみなす速さで、初期状態の「-1」は「10」として扱われる。


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画面端までスクロールするとこのように余白が現われてから引っ張られるようにして戻るが、初期設定では緩んだゴムのように無駄に伸びて鬱陶しい。余白の幅を0~1000で指定する「ui.scrolling.overscroll_snap_limit」の値を小さくしてみよう。また、「overscroll_decel_rate」ではオーバースクロール時の減速度を0~1000の間で設定出来る。

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2012年06月27日20時30分 公開 | カテゴリー: ネット情報活用 | キーワード:, | Short URL
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