「Lookout Mobile Security」は、Lookoutという単語が用心という意味であるように、スマホにおけるセキュリティに気を配ってくれるアプリだ。セキュリティ対策アプリとしてはいち早くAndroidにて提供され、海外から高評価を受けてきた。アンドロイドマーケットのツール無料部門では11位を獲得するなど、国内での人気の高さも伺える。合計で1000万～5000万ダウンロードのカテゴリに属しているということは、開発者がユーザーに対してそれ相応の何かを提供し続けなければならないことを意味している。

無料版ではセキュリティスキャン、バックアップ、アンチロスト（端末追跡）の機能が利用可能。有料版ではセーフブラウジング、リモートロック・ワイプ（削除）、プライバシー管理機能などが提供される。月額3ドル程度で年額だと30ドルだ。有料版には14日間の試用期間があるので、気になる人は利用してみよう。クレジットカードを登録する必要はなく、期間終了後は無料版に戻る。なお、タブレット端末にも対応している。

アプリのインストールとアカウント設定

メールアドレスとパスワードを入力して登録する。登録したメールアドレス宛に登録完了のメールが届く。特に認証の作業なしに使い始めることが出来るぞ。メールには後に紹介するウェブ版の管理画面を利用したときの利用明細が届くようになっている。

ウェブ版管理画面のログイン方法と使い方

「Account Login – Lookout」からアプリで登録したアカウントでログインする。

管理画面ホームでは、「ダッシュボード」でLookoutのすべての機能が確認できる。「セキュリティ」、「バックアップ」、「端末紛失」、「設定」といったタブを選択してそれぞれの管理を行う画面に移動する事が出来る。

セキュリティスキャン

セキュリティスキャンでは、アプリを一つづつスキャンしていく。一部報道ではこの精度を疑問視する声が上がっているが、Lookoutの公式発表を読む限り、かなりしっかりウィルスに関する研究を行なっている事がわかる。スキャン速度は一つのアプリに10秒程かかる。たくさんアプリを入れている場合はかなり長い時間になるので気長に待とう。アプリはインストール/アップデートするたび自動でスキャンされる。

バックアップ

バックアップでは、アプリ導入後に自動で連絡帳がバックアップされる。連絡帳のデータはLookoutのクラウドで保存され、必要に応じて復元できる。有料版では写真のバックアップも用意されている。残念なことに、これらの機能はAndroidを使っていればいらない機能で、それぞれGoogle ContactとGoogle Picasaに代用される。複数の場所に個人情報を保存するのはむしろセキュリティリスクを大きくする事のように感じる。

アンチロスト

アンチロストでは、GPSによる端末追跡を行うことが可能だ。位置情報を取得して地図上に表示する。

また、スクリーミング機能がついており、端末にパトカーを連想させる警報を鳴らすことが出来る。この警報は端末側から止めることができてしまうが、盗難にあった場合、攻撃者を威嚇することが出来るだろう。有料版では、端末のロックとワイプ（削除）が可能。SDカードのデータ削除には対応していない。なお、アプリの手動削除対策を有効にしている場合はアンインストールできない。こちらの方法で無効にしてからアンインストールしよう。

まとめ

このアプリはウィルス対策、セーフブラウジングとしては実績のあるリーダー的な存在だ。アプリ自体も項目が少なく綺麗にまとまっているし、ウェブ管理画面も洗練されていて使いやすい。タブレットを含めた複数端末を一元管理できるのもありがたい。ただ、無料版ではかなり機能が制限されてしまうのが問題だ。

それ以外のアンチロスト機能が貧弱だ。中でも無料版では端末のロック、データの削除が行えない他、有料版であってもSDカードのデータ削除を実行できない点から端末紛失、盗難の被害にあうケースには十分に対処できないだろう。バックアップ機能もほとんどのユーザーが既に利用しているサービスで代用が出来るので存在する意味が無く、むしろセキュリティリスクを上げているのではとも思わせる。Lookoutを使うのであれば、バックアップ機能はオフにすると良いのではとすら思える。

しかしながら、毎日セキュリティリスクを負ってスマホを所有するわけだから、ウィルスによるリスク軽減の為の保険と考えると年間で3000円を切る価格は安いと言える。端末盗難のケースを考えない場合であれば、気軽に使えるシンプルなウィルス対策ソフトだ。