【特集まとめ】Kindle Paperwhiteは電気本の夢を見るか?

「Kindle Paperwhite」は、反射光を利用して表示を行う、「電子ペーパー(E Ink)」と呼ばれる方式のAmazon製タブレットだ。最大の特徴は、長時間読んでいても目が疲れないこと。PCモニターやスマートフォン、「Nexus 7」など一般的なタブレットのディスプレイは、自ら発光することで表示を行っているため、長時間見ていると目が疲れるのだが、電子ペーパーであれば、見え方は紙と同様。目に優しい表示方式なのだ。しかも、軽量でバッテリーの持ちもよいから、毎日持ち歩き、電車の中やリビングで文章を読むのに適したガジェットだと言えるだろう。
この特集では、「Kindle Paperwhite」を使い、PDFやオフィスファイルから自炊漫画、青空文庫、ウェブページまで、「読むためのデジタルデータ」すべてを読み尽くしていく。「Kindle Paperwhite」は、Amazonで販売されている電子書籍を読むためのガジェットというイメージが強いが、それだけではない。さまざまなテクや補助アプリ、ウェブサービスなどを組み合わせることで、「読むためのデジタルデータ」という、広い意味での「電子書籍」全般を読むためのガジェットとして利用可能なのだ。


「Kindleストア」の電子書籍

とはいえ、「Kindle Paperwhite」の一番基本的な使い方は、やはり、Amazonの電子書籍ストア「Kindleストア」で電子書籍を購入して読むことだ。まずは、「Kindle Paperwhite」上から、またはPCから、「Kindleストア」の電子書籍を購入し、「Kindle Paperwhite」で読む方法を紹介しよう。「Kindle Paperwhite」上から「Kindleストア」にアクセスする方法と、PCブラウザからAmazonの「Kindleストア」にアクセスして電子書籍を購入し、その電子書籍を「Kindle Paperwhite」にダウンロードさせる方法がある。

PDF, TXTファイル

「Kindle Paperwhite」は標準でPDF, TXTに対応しているので、これらの形式のファイルをUSB経由で転送するだけで、「Kindle Paperwhite」上での閲覧が可能だ。授業や仕事上必要になる、レジュメや資料などのPDFを「Kindle Paperwhite」に入れておけば、電子ペーパーの読みやすい画面で、目に優しく閲覧することができるのだ。USBケーブルで「Kindle Paperwhite」PCに接続すると、「コンピュータ(マイコンピュータ)」上に「Kindle」が表示されるので、「Kindle」内の「documents」フォルダに、PDFやTXTファイルを転送しよう。

「.doc」「.docx」ファイル

WORDの文書ファイル「.doc」「.docx」の場合は、「Kindle Paperwhite」で閲覧可能な形式に変換を行う必要がある。とはいえ、メールで「.doc」「.docx」を送信すれば、自動で形式変換が行われ、さらに「Kindle Paperwhite」上にダウンロードされるから簡単だ。「Kindle」では、自分の「Kindle Paperwhite」専用の送信用メールアドレスが、Amazonによって割り当てられており、このアドレスに対してファイルを送信することで、ファイルを、「Kindle」用に形式変換した上で「Kindle Paperwhite」にダウンロードさせることができるぞ。

「Kindleライブラリ」の使い方

「Kindle Paperwhite」を使い始めると、Amazon上に、自分専用のストレージ「Kindleライブラリ」が5GB割り当てられる。「Send-to-Kindle Eメールアドレス」にファイルをメール送信すると、そのまま、または形式変換を行った上で、送信されたファイルが「Kindleライブラリ」に追加さる。そして「Kindleライブラリ」から「Kindle Paperwhite」にダウンロードされる、という仕組みだ。「Kindle Paperwhite」を、「Kindleストア」で販売されている電子書籍の閲覧だけでなく、さまざまな用途で利用するため、「Kindleライブラリ」や、基本的な操作方法を理解しておこう。

画像

「Kindle Paperwhite」には、jpg, png, gifと、一般的な画像ファイルを表示する画像ビューア機能も搭載されている。「画像ビューア」として考えると、「Kindle Paperwhite」には「カラーを表示できない」という大きな欠点があるが、バッテリーの持ちが非常によいという長所もある。そこで、路線図や時刻表など、外出先でどうしても必要になる状況があり得るデータを、「画像」として放り込んでおくことをオススメする。

自炊漫画

いわゆる「自炊漫画」とは、本を裁断するなどしてスキャナーで画像を取り込み、zip形式で1冊1ファイルにまとめたもの。もともと表紙くらいしかカラーがない漫画は、「Kindle Paperwhite」で読むのにピッタリだ。電子ペーパー方式なので、全巻一気読みなどを行っても目が疲れないぞ。「Kindle Paperwhite」で自炊漫画を読むためには、まずPC上でデータ形式の変換を行う必要がある。フリーソフト「ChainLP」を利用すれば、変換作業は非常にラクチンだ。

青空文庫

青空文庫上では、著作権の保護期間が切れた、いわゆる「パブリックドメイン」の小説や解説書などが大量に無料公開されている。これらを「Kindle Paperwhite」に詰め込めば、完全無料で名作を好きなだけ読みまくれるぞ。青空文庫のデータを「Kindle Paperwhite」で読むためには、ウェブサービス「青空キンドル」を利用する。青空文庫上のデータファイルのURLを渡すことで、そのデータをKindle向けに変換してくれるウェブサービスだ。

長いウェブページ

「ウェブページをKindle Paperwhite上で読む方法」は2つある。まずは、「あるウェブページを、電子書籍としてKindle Paperwhite上で読む」という方法。この方法は、最後まで読むのに時間がかかる長いウェブページに向いている。公的なサイトにあるような非常に長い解説ページ、企業ニュースサイトや個人ウェブサイト上で公開された大長編のコラムなど、「1ウェブページ1電子書籍」の形式で保存し、少しずつ読みたい記事などの場合に利用するとよいだろう。PCブラウザで動作するブックマークレット「Klip.me」や、アプリ「Push to Kindle」を利用するのだ。

ニュースサイト/ブログなどの記事

「Kindle Paperwhite」で、日常的に目にするニュースサイトや個人ブログなどのウェブページを読むための最強サービスは「Instapaper」だ。いわゆる「あとで読む」サービスなのだが、「Kindle Paperwhite」ユーザー向けの機能を提供している。ニュースサイトやブログの記事などを「あとで読む」として放り込みまくっておくと、毎日「今日『あとで読む』登録されたページ一覧」として、Kindle用のデータを自動生成してくれるのだ。いわば、自分専用の「あとで読む」新聞が自動生成され、自動で「Kindle Paperwhite」にダウンロードされる、というような使用感だ。

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2013年01月21日12時00分 公開 | カテゴリー: 便利化・快適化 | キーワード:, , , | Short URL
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