【検証中】Androidアプリ「GeoLLERY」「Geotag」でEXIFのGPS情報を完璧に偽装するのは難しいかも

「写真にはEXIFという、撮影日時やカメラの種類などを記録するデータが埋め込まれており、GPS機能を備えたデジカメやスマートフォンで撮影された写真の場合、位置情報(GPS情報)も埋め込まれている」「とはいえこれは単なる埋め込みデータなので、後から編集(改竄)することが可能である」というのは、正にその通り。従って、写真にGPSデータとして特定の場所が埋め込まれていたからといって、本当にその場所で写真が撮影されたのかどうかは分からない。
ただ、GPSデータを、「完璧な形で」偽装するには、手段を選ぶ必要がありそうだ。単純に言うと、「あるスマートフォンで普通にGPS情報付きで撮影を行った場合」と「撮影後にGPS編集アプリでGPS情報を弄った場合」とでは、生成されるファイルに違いが出ることがある。「元々の撮影場所がバレる」訳ではないが、「撮影後にGPS情報を改竄した可能性が高い」という判断は、どうも、できそうだ。以下、とりあえずの検証結果を記載する。


F6 Exif ~EXIF編集ソフト~

GPS機能をオンにしてスマートフォンカメラ(Galaxy S3を利用した)で撮影を行うと、その写真にはGPSデータが書き込まれる。ここでは、Windowsアプリ「F6 EXIF」を使い、写真のEXIFデータを表示させている。


GPS編集(改竄)アプリで偽の位置情報に書き換える

geoLLERY: view/edit GPS tags – Google Play の Android アプリ
GeoTag – Google Play の Android アプリ

GPS情報を編集(改竄)するアプリは、Playストア上に複数ある。まず「GeoLLERY」を試してみよう。起動後にメニューボタン「Open Folder」で写真フォルダを指定する。

フォルダ内写真が一覧表示される。編集したい写真をロングタップするとメニューが表示されるので、エディットボタンをタップ。

マップ上のマーカーを、適当な位置にドラッグしてフロッピーボタンをタップすると、GPS情報がその位置に書き換えられる。

「GeoTag」も基本的に同じ使い方だ。「Find Location」でキーワード検索を使える点が長所。

「完璧」な偽装ができたのかチェック



さて、ここでは、GPS機能をオンにして普通に撮影した写真(~_raw.jpg)と、「GeoLLERY」でGPS情報を編集した写真、「GeoTag」でGPS情報を編集した写真、の3ファイルを用意した。



「GeoLLERY」でGPS情報を編集した写真、「GeoTag」でGPS情報を編集した写真のEXIFデータは上スクリーンショットだ。

一番最初にも掲載した、GPS機能をオンにして普通に撮影した写真の場合は左スクリーンショット。つまり、GPS情報を書き換えた写真は、EXIFデータが明らかに少ない。そして「F6 EXIF」上で「不明」とされる項目が増えている。つまり、ある写真が、「ある機種(この場合Galaxy S3)上でGPS機能をオンにして普通に撮影した写真」なのか「GeoLLERYやGeoTagでGPS情報を編集した写真」なのかは、EXIF情報を見比べることで判断できてしまう、ように思える。言い換えれば、「GeoLLERYやGeoTagは、少なくとも一部機種で撮影された写真に対しては、完璧な偽装をできていない」。
なお、「1397571923/4673109」なる謎のデータは、どうも、F値として認識されているべき値であるようだ。つまり、「この数字が元々の撮影場所を示す情報」であり「元々のGPSデータが残ってしまっている」という訳ではないようだ。

現時点の結論

以上要するに、「GeoLLERY」「Geotag」でGPS改竄を行った場合、「元々のGPS情報がバレることはない」が「GPS改竄を行ったということ自体は、当該スマートフォンで普通に撮影した場合のEXIF情報と見比べられることにより、バレてしまう(が、このような比較を行われない限りは大丈夫)」ということになりそうだ。そして、「一部改竄アプリは、この意味で『完璧』な偽装をできていない」ということになりそうだ。
「各スマートフォンで普通に撮影した場合のEXIFデータの項目等」というようなデータベースは、警察やクリスマス前の声優マニア等なら持っているべき、なのかもしれない。

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2012年11月15日19時20分 公開 | カテゴリー: 便利化・快適化 | キーワード:, , , | Short URL
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