「あのサイトのあの人の執筆記事だけRSS」も可能なRSSフィルタリング応用編

前ページのRSSフィルタリングは、「機械から見て広告記事だと分かる記事」とか「皆の好みとして面白い記事」とかを抽出するもの。「自分の好み」に基づくRSS抽出を行うには、「Yahoo! Pipes」を利用する。「簡易マッシュアップサービス」などと呼ばれているウェブアプリケーションだが、「RSSを読み込み、自分で決めた規則通りにフィルタリング処理を行い、フィルタリング結果をRSSとして出力する」ということが可能なので、自分の好みに合わせたRSSフィルタリングが可能なのだ。

例えば、「デイリーポータルZ」というサイトでは、さまざまな執筆者が記事を書いているのだが、この執筆者の一人、べつやくれい氏のファンだ、という人は、「べつやくれい氏執筆記事のみRSS」を作って「Googleリーダー」に登録するとよい。RSSには「執筆者は誰々」というデータが埋め込まれているので、このデータをもとにフィルタリングを行うのだ。
「執筆者」に限らず、「カテゴリ」とか、「特定のキーワードが出てくる記事」などでも同様だ。例えば、「本文に『プレゼント』という文字が出てくる記事だけ読みたい」などといった場合にも、同様の方法が利用できる。

「Yahoo! Pipes」を利用するRSSフィルタリングは、少し操作や考え方が難しいのだが、マスターすれば、RSSフィルタリングを、かなり高い自由度で行えるようになる。「デイリーポータルZ」でなくてもよいので、どこか複数執筆者によるサイトを探し、その中の一人が書いた記事のRSSを、下記のように作成してみよう。「Yahoo! Pipes」の基本的な使い方を覚えられるはずだ。

複数の執筆者によって更新されている記事の、特定の執筆者が書いた記事のみを読みたい、といった場合もあるはずだ

しかし、配信されているRSSは「サイト内全記事」のみ。「特定執筆者の記事のみRSS」がない、というような状況で、このページで紹介するテクは有用だ

詳細は割愛するが、配信されているRSSを開くと、「<dc:creator>執筆者名</dc:creator>」という記述がある。RSS内には、執筆者情報が埋め込まれているのだ。この情報を利用してフィルタリングを行う


Yahoo!Pipesを利用するRSSフィルタリングテク

Pipes: Rewire the web

Yahoo!Pipesにログインして「Create Pipe」をクリックする。Yahoo!Pipesは、米Yahoo!のアカウントを使ってログインするサイトだ。アカウントを持っていない人は作成しよう

まず、「Sources」「Fetch Feed」を、右側の方眼紙部分にドラッグ&ドロップする。URL入力欄があるので、RSSのURLを入力する

さらに「Operators」「Filter」もドラッグ&ドロップ。「Fetch Feed」の下部の丸と「Filter」の上部の丸、「Filter」の下部の丸と「Pipe Output」の上部の丸をマウスでつなぐ。これで、「Fetch Feed」で取り込まれたRSSが、「Filter」でフィルターにかけられ、出てきたものだけが「Pipe Output」になる、という流れが出来上がった。
次に、「Filter」の中で、フィルタリングの条件を設定する。この場合、「dc:creatorが『べつやくれい』である記事のみを抽出」という処理を行いたいので、「items.creator」が「べつやくれい」を「Contains(含む)」記事のみを「Permit(許可)」することになる(「Contains」ではなく「Is」でもよい)。この記事の例とは逆に、一定条件を満たす記事のみを除外し、ほかの記事のみを抽出したいのであれば、「Permit」ではなく「Deny(拒否)」だ。また、複数執筆者の記事のみを抽出したいのであれば、上スクリーンショット通り、「any」で複数条件を並べればよい。この記事の例と異なり、例えば「執筆者が●●でカテゴリが■■の記事のみを抽出」というように、複数条件をすべて満たす記事だけを抽出したいのであれば、「執筆者が●●」「カテゴリが■■」という条件を作成した上で「all」を選択すればよい。
下部「Refresh」をクリックすると、「Pipe Output」として出てくる記事のみが表示されるので、記事抽出が正常に行われているかを確認する。正常に記事が抽出されない場合は、どこで問題が出ているのか調べよう。「Fetch Feed」と「Pipe Output」を直接つないで、再度「Refresh」をクリックするのだ。これで(すべての)記事が下部に表示されるなら、問題は「Filters」にある。これでも記事が表示されないなら、そもそも「Fetch Feed」の段階で記事を正しく取得できていない、ということになる。

正常に動作していれば、上部「Save」をクリックしてPipeの名前を設定し、「Run Pipe」をクリック

実行結果が表示される。「Get as RSS」をクリックし、表示されるRSSをGoogleリーダーに登録しよう

元のRSSが非全文RSSであれば、抽出されたRSSも非全文だ。この場合はこれまで同様、「fullrss.net」で全文化させればよい

自分が好きな執筆者の記事のみを、PCやスマートフォンで全文読む、ということができる

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2012年09月29日13時00分 公開 | カテゴリー: ネット情報活用 | キーワード:, , | Short URL
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