スマホ用音楽ファイルはAAC形式がオススメ! 高音質なiTunesのエンコーダをほかのソフトから使うと便利だぞ

itunes音楽CDのデータは、そのままでは1時間あたり600MB以上のサイズになるため、音声ファイルとして取り込むときには容量を削減する「圧縮」という処理を施すのが一般的だ。
音声の圧縮方式にはさまざまなものがあり、中でも「MP3」が有名だが、スマートフォン用にエンコードする場合は「AAC」形式がオススメだ。AACはMP3の後継として開発された新しい形式で、同じファイルサイズでもMP3より音質低下が少ない。特に、ファイルサイズの削減率を大きめにしたときの音質に大きな差があるようだ。
一昔前のソフトや安物の再生機器では再生できないこともあるが、最近のソフトやスマートフォンならほとんどがAACに対応しているので、再生できなくて困ることはないだろう。

音楽CDをAAC形式にエンコードできるソフトはいくつかあるが、iTunesに搭載されているエンコード機能が特に音質がよいといわれている。
しかし、音楽再生やオンラインストアなどの機能も備えたiTunesは、動作が重くインターフェイスもごちゃごちゃしていて、あまり使いやすくない。
そこで、「Exact Audio Copy」や「CDex」など、外部エンコーダーを使えるリッピングソフトから「qaac」というツールを経由してiTunesのエンコードエンジンによるエンコードを行うといい。
設定は少々面倒だが、一度設定してしまえば手軽に高音質なAACファイルへのリッピングを行えるようになるぞ。

なお、EACやCDexではパソコン上の音声ファイルをエンコードすることも可能だが、MP3やAACなど非可逆の圧縮形式で圧縮済みのファイルを再び圧縮すると、二重に音質の劣化が発生してしまう。手間はかかるが、過去にリッピングしたファイルは使わず、新たにCDからリッピングし直したほうがいいぞ。

アップル – iTunes
qaac


iTunesをインストールせずにエンコードエンジンだけをインストール

AppleのiTunesをインストールすると、Apple製端末の管理機能なども同時にインストールされ、サービスプロセスとして常駐したりするので、あまりインストールしたくないという人もいるだろう。
実は、「7-Zip」などの解凍ソフトを使うと、iTunesのインストーラーを分解してエンコード機能などの部分だけをインストールできるので、EACなどのリッピングソフトからエンコード機能だけを使いたい場合は試してみよう。

7-Zip

musicencode_0017-Zip File Managerを起動したら、iTunesのインストーラーをダウンロードしたフォルダに進み、iTunesSetup.exeの右クリックメニューから「このフォルダ内で開く」を実行しよう。

musicencode_002このように、中に組み込まれたインストーラーが表示されるので、「AppleApplicationSupport.msi」をダブルクリックしよう。

musicencode_003一時フォルダに解凍されたインストーラーが起動するので、「次へ」を押していってインストールを実行しよう。

Exact Audio Copyとqaacで音楽CDをAAC形式でリッピング

Exact Audio Copy」は、光学ドライブごとの微妙な読み込み開始位置のズレを補正したり、読み取りエラーを軽減したりして、可能な限り正確にリッピングを行えるリッピング・エンコードソフトだ。他のソフトでは正常に取り込めない傷みの激しい中古CDなども取り込める場合がある。
また、複数のアーティストの作品が収録されたオムニバスアルバムなどで曲ごとに異なるアーティスト情報を埋め込めるなど、気の利いた機能も充実しているぞ。

Exact Audio Copy
Exact Audio Copy 日本語言語ファイル

musicencode_004Exact Audio Copyのインストール後すぐに起動すると、初期設定の案内が英語のままになってしまうので、インストーラーの最後の「Run Exact Audio Copy」のチェックを外してから「Finish」を押そう。

musicencode_005Exact Audio Copy日本語言語ファイルのアーカイブを解凍し、中の「Japanese.txt」をExact Audio Copyをインストールしたフォルダにある「Languages」フォルダに入れると、インターフェイスが日本語化される。

musicencode_006Exact Audio Copyの初夏起動時には、初期設定画面が表示される。説明に従って設定を行なおう。「取り込み設定」はどちらでも大差ないが、せっかくEACを使うのだから「正確さ重視」にしておこう。

musicencode_007「エンコーダー選択」は「後で手動で設定する」にしておこう。

musicencode_008「freedb設定」のメールアドレスは、メールアドレスの書式にさえなっていればデタラメなものでも構わない。

musicencode_009EACを起動したら、メニューの「EAC」→「エンコードオプション」からエンコード設定を行おう。

musicencode_010「外部エンコーダ」のタブで「エンコードに外部プログラムを使用する」にチェックを入れて、「エンコーダ別パラメータ」を「ユーザー定義のエンコーダ」、「使用する拡張子」を「.m4a」に設定し、「参照」ボタンを押すと表示されるファイル選択ダイアログでqaacの実行ファイルを選択したら、「追加のコマンドラインオプション」に下記の内容を入力しよう。また、「ID3タグを追加」のチェックは外しておく必要がある。



musicencode_011メニューの「EAC」→「EACオプション」で、使いやすいように設定を変更しておこう。

musicencode_012光学ディスクドライブにCDをセットすると、曲の一覧が表示される。上部ツールバーの「▼」をクリックして「組み込みfreedbエンジン」を選択してから、その左のCDのアイコンをクリックすれば、オンラインデータベースから曲名などが取得される。

musicencode_013リストの左のチェックボックスで取り込みたい曲にだけチェックをしたら、左の「CMP」のボタンを押そう。

musicencode_014このような画面が表示され、エンコードが開始されるぞ。

musicencode_015このように、CDの曲が音声ファイルとしてパソコン上に取り込まれる。後はUSBストレージ接続などでスマホに転送して、好みの音楽プレイヤーで再生しよう。

CDexでqaacを利用

CDexは、最初から日本語化されているなど、手軽で使いやすいリッピング・エンコードソフトだ。EACのような読み取りの正確化機能は無いが、状態の良いCDなら特に問題は無い。既にCDexを愛用している人などは、こちらの外部エンコーダーにqaacを設定して利用すればいいだろう。

CDex | Open Source Digital Audio CD Extractor with more than 40,000,000 downloads

musicencode_016CDexでは、設定画面の「エンコーダ」を「External Encoder」にして、「エンコーダパス」の横の「…」ボタンでqaac.exeを選択し、「拡張子」を「m4a」にして、「パラメータ配列」に下記の内容を貼り付けよう。



musicencode_017また、「Encoding」→「Tags」のページで、ID3 Tag Versionのチェックをすべ全て外しておく必要がある。

musicencode_018CDをセットして、メニューの「CDDB」→「リモートCDDBから読み込み」を実行すれば曲名の取得が行われる。右のツールバーの上から2番目のボタンを押せば、エンコードが開始されるぞ。


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2012年05月02日13時50分 公開 | カテゴリー: マルチメディア | キーワード:, , | Short URL
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