Mozilla Fireoxは、パソコンではChromeと人気を二分しているブラウザだが、Android版ではなかなか同様の人気を獲得できずにいた。タブなどのインターフェイスに使われているXULという仕組みがCPU負荷やメモリ使用量を増大させており、パソコンに比べてスペックの低いスマートフォンでは動作が重くなりがちだったからだ。
そこで、現在「Nightly」として試験公開されている次期バージョンからは、XULを使わずにAndroidの標準機能でインターフェイスを構築することで、大幅に軽量化が図られる事になった。ページ描画などの性能も向上しているため、1GBのメモリなど十分なスペックを備えた端末なら、ほとんど重さを感じることなく利用できるだろう。
また、インターフェイスの一新に伴い、以前はあまり使いやすくなかったタブ切り替えも、タイトルが表示されるようになるなど、使い勝手が向上している。これらの改良が正式版に取り込まれ、拡張機能も充実してくれば、Firefoxもブラウザ選びの有力な選択肢になってくるはずだ。
現在公開されているNightly版は、試験段階のため不具合や未実装の機能も少なくないが、気になる人はぜひ試してみよう。

NightlyはAndroidマーケットには登録されていないので、「Firefox Nightly」のページからアプリのパッケージをダウンロードしよう。

ダウンロードしたAPKファイルを開いてインストールを行なおう。なお、Androidの設定の「アプリケーション」(Android4.0からは「セキュリティ」)にある「提供元不明のアプリ」にチェックを入れておく必要がある。

これがFirefox Nightlyの画面。アドレスバーの横にタブボタンが表示されるなど、標準ブラウザやChromeと似た構成になっている。リンクをのロングタップメニューが新しいタブで開く以外用意されていないなど、未完成の点も見受けられる

タブ数が表示されているアイコンをタップすること、開いているタブの一覧が表示される。Chromeほど操作性は良くないが、ページタイトルの表示文字数が多いのは便利だ。

こちらは現在マーケットで公開されているFirefox10。タブは画面を横にスワイプすることで表示されるが、ズームした画面をスクロール作用としたときに間違って表示してしまったりして鬱陶しかった。

・Firefox Nightly