KDDI、耳にあてる位置がずれても聞こえる「新聴覚スマートフォン」を2012年度中に発売

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機種にもよるが、スマートフォンは相手の声が聞きずらいという声をよく聞く。また、高感度マイクによりノイズが乗りやすく、通話相手にこちらの話が伝わらないこともよくある。これは、マイクの位置や筐体の長さなども影響しているのだろうが、電話として見るとあまりスマートではないようだ。

交差点などのちょっとうるさい場所はもちろんのこと、イヤホンやヘッドホンを装着して音楽を視聴している最中の着信でもイヤホン、ヘッドホンを外さずに通話ができたり、騒音の多い工事現場などで耳栓をしたまま通話ができると便利だ。

KDDIは京セラと共同で、耳に接触させることで音を直接内耳に伝達できる「音声振動 素子 (仮称)」を開発し、これをレシーバー (受話口) として搭載したスマートフォンを試作した。試作機は、2011年10月4日から開催される「CEATEC JAPAN 2011」 (千葉・幕張メッセ) のKDDIブースにて「新聴覚スマートフォン」として参考出展される。KDDIは今後、試作機をベースとした商品開発を進め、2012年度中の商用化を目指している。

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通常の携帯電話から出力される音は、空気を伝って聞こえている。KDDIが開発したレシーバーは振動することにより、耳内部で音に変換したり、直接鼓膜に音を伝えたり、ディスプレーパネルなどに作用して音を出す仕組みだ(上図)。さまざまな方法で音が伝わることにより、外部環境の影響を受けにくくクリアな音を聞くことができる。

また、「音声振動素子 (仮称)」は0.6mm以下と薄型なので、携帯電話のレシーバー部位の防水性能や防塵性能の向上、パネル部品のコスト軽減なども期待できる。携帯電話本体の小型化に寄与するほか、空気を介して音を伝える際に必要な「音穴」が不要になるからだ。


新開発の音声振動レシーバーを搭載したスマートフォンの試作について | 2011年 | KDDI株式会社

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2011年09月27日17時24分 公開 | カテゴリー: 端末・周辺機器・サービス | キーワード: | Short URL
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